ふとしたこと
おなか減りピークも過ぎて、仕事がひと段落するまで続ける。
気づいたときには14時になっていて、遅めに出てた人たちがぞろぞろと帰ってくる。
入れ違いにお昼に出た。
外に出ると、風が冷たくて気持ちがいい。
お弁当を買って外で食べている人がいて、私もそうしようかと考える。
近くにあるMARK ISのカレー屋さんに通りかかり、足を止める。
「いらっしゃいませー。空いてますよー。」
流ちょうな日本語で話しかけられ、吸い込まれていく。
選んだのはカレーとナンのセット。
胃が小さい私は、食べきれるわけがない。
カレー屋さんにいくと、いつも半分は残し、
食べきれない分は、いつも黙って皿を目の前にスライドさせていた。
「やっぱり、無理だよね。」
と目で言われながら、心の中でゴメンねと言う。
食べきれないのわかってて、頼んでしまう。
出てきた大皿には、私にとっては大量のカレーと皿からはみ出したナン。
ナンを半分食べた時点でカレーはなくなり、おなかはいっぱいだ。
カレー無しのナン。
一口かじる。
甘い味が口の中に広がる。
おなかはいっぱいだったけど、
もう一口かじる。
焦げた部分がパリっと音を立て、香ばしさも広がった。
噛めば噛むほど甘かった。
生きていることを実感するように、最後の一切れまでかじり続ける。
最後の一口の後に、氷が入ったお水を飲む。
身体に染み入った。