陽の当たる場所に

gonと申します。面白いことはありません。単なる忘備録。ただ、もしかしたら、こんな人間いるんだなーくらいに面白がってくれる人もいるかもしれません。

おまめさん

だからその原因は何?

 

思わずいいそうになって言葉を噤む。

 

優しくしなきゃと思いつつ、

言葉が強くなってしまう。

 

「何故か、出来無いんですよね」

 

平然と言う。

 

せめて原因を調べてから言いに来てくれ。

更に言いそうになったが、この仕事が終わったら終わりだと更に飲み込みこむ。

 

 

「仕事が無くて、つまらないのです」

 

そう彼女から相談されたのは2ヶ月ほど前。

転職してきた彼女は、暇な部署に回されていた。

仕事のない辛さはよくわかる。

 

同情し、彼女の会社での将来を考えて仕事を回したのがいけなかった。

 

私が彼女の能力を、見誤ったのだ。

 

 

 

 

考えてみれば、

単純に業者を探して欲しいと頼んでも出てこず、

以前お願いした業者の担当者が良くなかったと言う説明をしても理解せず、

以前の業者でいいんじゃないですか?と平然と言う始末。

 

ネットから、資料を探してくれと頼んでも見つからなかったという。

 

責任持たせた方が良いかと、

ノベルティに使う写真の選定はあなたに任せた!

デザインもやるなら、バックアップするから、やりたかったら言って。

やらないならデザイン会社に見積もりを取ってもらえる?」

 

困った顔をする。

 

説明したことが全く理解していないのに、分りましたと答え、

結局できていない。

 

伝え方が悪いのかと

かみ砕いて分かりやすいように伝えるも全く理解されず、

いい加減に嫌になって、ちょっと強めに言ってしまったら最後、

泣きそうな顔になる。

 

私が、泣きたい。

 

 

教えたはずの内容は、まったくできておらず、結局私が作業する。

後ろで、聞きもしない。見もしない。

 

 

散々だ。

 

 

 

私のほうが追い詰められ、

彼氏に話を聞いてもらう。

 

あぁ、おまめさんなんだねー。

 

え?おまめさん?

 

ほら、小学校の時にさ。

みんなで集まって鬼ごっことかする時に、

捕まっても鬼にならない人。

例えば、友達の弟とか、自分たちより低学年だった子。

 

 

大人になってもねー。

いるんだよおまめさん。

 

仕方がないよね。

 

そういう人にはかかわらない方がいい。

 

自分では何もしないというかできないし。

やりたいといいつつ、やろうともしない。

というか、

理解できないんだよ。

 

 

そんな話をされて、

なるほど、と思った。

 

彼女は彼女なりの範囲で精いっぱい頑張っているけれど、

見えていない。

 

相手のことを考えることも、

感じることも、

出来ないんだと思う。

 

そう考えたら、

彼女に教えることも、お願いすることも、共有することも、

一生懸命、手を伸ばして雲を捕まえるようなもので、

それが出来ないこと自体を責めることが滑稽で、どうしようもないことなんだと気づいた。

 

雲に、文句言っても仕方がないし。

出来ないことを愚痴っても仕方がない。

雲は雲で、光の加減ですごく素敵で、輝いてくれるから、

きっと、そういうことなんだと思う。